《吉川団十郎》
中国貴州省少数民族の旅


★貴州省 13度目の旅行記 

 06年4月12日(水)〜4月19日(水)・旅行参加者8名


〔1日目〕4月12日(水)仙台、曇り そして霧。 上海は小雨。
 仙台空港15:25発→上海空港17:45着 (CA-156)

  今回は仙台空港から8名で出発する。しかも長井さんは九州から参加。
長井さんは早朝、福岡空港から仙台空港に来て、そこでわれわれと合流し、
仙台空港から皆と一緒に出発することになった。
 ところがAM10頃、長井さんから電話が入る。
 「今、福岡空港にいるんだけど、『飛行機は仙台空港に向かって飛ぶけれど、
仙台空港は霧が深いので着陸できないかもしれません。
着陸できない場合は花巻空港に着陸するようになります』って言われて
困ってるんですけど、どうしましょうかね?」

 そうか、そういえば仙台空港は霧がよくかかる所だって聞いたことがある。
そこで私は家の外を見てみた。
 「長井さんこの程度の曇りなら絶対に大丈夫だよ。
安心して乗って来ていいです。仙台に到着するころには、
霧も晴れでっから・・・」とかなんとか無責任な返事をしている団十郎なの。

 もし花巻空港まで連れて行かれたら、ゆっくり花巻温泉に浸(つ)かってれば
いいんですから・・・。(花巻温泉もなかなか良い所なんですよ、皆さん!)

 1時15分。私が仙台空港に着くとそこには長井さんの顔が有った。
(めでたしめだたし)

 CA・156便は定刻どおり離陸。PM6:30、上海空港出口にて
上海ガイドの王さんと合流。早速バスに乗って上海市内に向かう。

 雨が降っていたせいもあり、車内が寒い。
そこで暖房を入れてくれるようお願いした。
すると運転手は「もうクーラーしか入りません」だって。
 「何で?」
 「もう日中は暖かいので、暖房を止めてクーラーだけにしました。
だからクーラー以外はできません。
暖房は今度の冬までできません」だって。
(なんだか、訳分からない世界に突入・・・。
これは省エネのためなんだって!?)

 ホテルにチェックインする前に上海市内にて夕食のはず。
しかし、PM7:30 車はホテルに到着してしまった。
 「あれっ! 食事は?」。すると王さんが「夕食は有りませんよ!」。
 「何言ってんの、無い訳ないでしょう」。
 「でも無いですよ・・・」
 「んだったら、旅行社に電話して確認してみでけさいん」

 (王さんは早速電話で確認)
 そして確認後、王さんは「皆さん、すみません。私の勘違いでした」
 (ほらきた。中国ではよくある話)
 一同、あきれかえる。

 すると王さんは
「皆さん失礼致しました。お詫びに私が皆さんに紹興酒(しょうこうしゅ)を
御馳走しましょう」。
 それでも一同、あきれている。
しかし、長井さんだけが大声で「有難う」と言って、拍手をしていた。
(できれば私もこのような寛大な人間になりたい。合掌・・・)

 夕食は8:30〜9:30。


〔2日目〕4月13日(木)上海、曇り  貴州省、曇り
 上海虹橋空港12:15発 → 貴陽(きよう)空港 14:45着。
(CA-4562便)

 上海も寒かったが貴陽も結構寒い。衣類は春物だけを持ってきていた。
しかし昨日の仙台が寒かったので幸いなことに下ズボンをはいていたし、
冬物のトレーナーも着ていた。もしこの服を着てこなかったなら、震えてい
たことだろう。

 貴州省内での通訳は、いつもどおり、
「貴州省中国青年旅行社」の姚武強(ヤオ・ウーチャン)。

 19人乗りのバスにウーチャンをまぜて9人で乗り込む。
 PM3:00 貴陽空港からバスで「凱里市」(東方面)へ向かう。
   5:30 凱里(カイリ)市に到着。
 チェックインはまだ早いので、市内の自由市場に行ってもらい、
見学をする。
 私と氏家君はビデオの撮影を目的として来ているので、
この時点から気分は「本気モード」。撮影をしまくる。



 凱里市自由市場にて。「要 不要」(要らんかね〜)


 PM7:00 「金冠ホテル」にチェックイン。


〔3日目〕4月14日(金)凱里、曇り
 今日も寒い。まだ下ズボンと冬物のトレーナーは脱げない。
でも、もう3日間同じ服装である。(ちょっぴり 不潔な団十郎なの)

 AM8:00 凱里市 金冠ホテル出発。
 雷山県 「南花苗族」(ナンホワー・ミャオズー)の村に向かう。
 「南花苗族」の村は一昨年訪問した「上郎徳(じょうろうとく)苗族」の
村の手前にある。

 山の間を走る道路の左側にはアカシアの木が植えられていて、
タイミング良く、白い花が奇麗に咲いていた。
それが車窓から見える。なかなかの景色である。
その花に見とれていると道路の左下に川、「巴拉河(バーラフー)」が
見えてきた。それから暫らく走ると、
それはそれはリッパな橋(風雨橋)があった。
その橋を渡るとそこは南花苗族の村だった。
 車を降りるとそこは小学校の校庭でもあった。
 生徒達の元気な声が聞こえてきた。それは、皆で教科書を読んで
いる声らしい。
 覗いて見ると先生が「入っても良い」と言ってくれたので、教室に
カメラマンの氏家君とお邪魔することにした。
 
 黒板を見ると、ウルトラセブンの落書きがあった。
そこで私は大声で歌った。 ♪ セブ〜ン ♪
すると子供たちは次のメロディ、
♪セブ〜ン、セブ〜ン、セブン、セブン、セブン♪ と歌ったではないか!

 そうなんです。今中国ではウルトラマンシリーズが超 人気なんだそうだ。

 坂道の途中の門の所で
少数民族の衣装を着た女の子達が歓迎式をしてくれた。
 坂道を暫らく登って行くと礼拝堂がある。
そういえば貴州省内で一番多い宗教はキリスト教なのだ。

 そこから少し登ると山のテッペンになっていて、そこは野外演舞場に
なっている。
 さっそく少数民族の伝統音楽と踊りを見せてもらう。

 私はどちらかというと、一昨年伺った「上郎徳の村」よりも
今回伺った南花村の方が見応えがあるように思えた。
なんといっても、坂道の風景が絵になる。
(よし、日本に帰ったら、ここの歌も作るぞ!)



 「南花苗族の門前で。お出迎えで〜す」


 10:20 南花苗族の村とお別れ。

 施洞(スートン)地区へ向かう。
 今回の旅行の目的は施洞(スートン)で催される
「姉妹飯節」(しまいはんせつ)というお祭りを観に行くこと。

 1:10 施洞に到着。街の食堂で昼食。
 普段は滅多に観光客が来ない所なんだろう。

 「なんかここの料理、匂いがきつくて食事が喉を通らない」と
サスガの女性陣もギブアップ。
そうなんです。
貴州の田舎料理は日本人には匂いがかなりきつ過ぎるらしい・・・。
私の場合は好き嫌いが激しい性格なので初めっから
食べるっ気がなく、缶詰・フリカケ・カップ麺等を持って来ているので
「没問題」(問題なし)。

 表の広場では少数民族の女性達がズラーっと刺繍を並べて
販売をしていた。

 そこから歩いて20分。
お祭り「姉妹飯節」が催されている広場に、2:20 到着。

 祭りに参加している施洞(スートン)苗族の女性の衣装と銀飾り、
これらが「凄い!」のひとこと。
しかし、話に聞いていたほど、人の賑わいはなかった。

 私の目的は「この祭りの歌を作曲するため」。
氏家君の場合は私のその歌に「映像を挿入し
DVDを制作するため」にやってきている。
だから2人は必死である。
 結局、祭りがチャチなので、撮影場所を替えることにした。
 広場の外で行き交う人たちのショット探そう
ということで、2人して路地や田圃のあぜ道を駈けずり廻って
撮影していた。
 帰りの時間、4:00が来たので祭りの会場に戻って行くと、
なんと驚くほど凄い人だかり。踊る少女達もいっぱいになっていた。
「これからもっともっと参加者が集まって来るよ」と言われたが、
これ以上の滞在は時間的に無理。
断腸の思いで会場を後にする。



 「姉妹飯節のお嬢さんで〜す。めんこい ごだや!」


 PM5:15 鎮遠(ちんえん)県に到着。
 早速、遊覧船に乗る。
 この街は建物がユニークである。
積み木のような・ミニチュアのような家が並んでいる。
(一同、感心 感心・・・)

 PM7:30 「名城ホテル」にチェックイン。


〔4日目〕4月15日(土) 晴れ
 それにしても今日は朝から良い天気だぁ。
やっと下ズボンと冬物のトレーナーが脱げる。

 AM8:00。鎮遠県最大の名所「青龍洞」を見学。
ここの楼閣からの眺めが最高。
鎮遠県の川べりの風景が一望できる。
 この鎮遠県の歌も作曲するので、
私と氏家君は必死で駆け回る。

 青龍洞撮影の後、
繁華街の「順城街」(スンツァンジエ)をブラブラする。
 この商店街は「貴州省で bPの歴史ある商店街」と言える。



 「この街並みが最高! 楽しいよ〜」


 私と氏家君が商店街の中の
お菓子屋さん(マドレーヌの実演販売)の店頭で
マドレーヌを買うシーンを撮影することにした。
 そこで役者「団十郎」がお金を払うとき、「1元」というところを、
値段が分からない振りをして「1角」を財布から取り出す。
すると店の夫婦が「それは違います」ってな場面を
撮ろうという狙い・・・。

 さあ、ビデオが回った。
 私がマドレーヌを買う。
店の奥さんが「1元です」と言った。
さあ、そこで私がボケて、「1角」を財布から取り出す。
すると後ろから岩間君がやってきて
「団十郎さん、何出してんの、1角でなく1元だずば!」だって。

 「カット、カット、カット!」
(ン〜ン、もう〜、ブッ壊し!)「岩間君なんて、プイッ!」

 AM11:00 鎮遠県から貴陽(省都)方面に向かう。

 貴陽市内にPM6:00に到着。
 ここで1時間ばかり市内を撮影する。
その間、他のメンバーはお買い物。
岩間君はここで皆と別れて最終日まで自由(別)行動となる。

 PM7:00 安順市に向かう。
   8:30 安順市にある「天瀑大酒店」に泊る。


〔5日目〕4月16日(日) 晴れ
 今日は貞豊(ていほう)県へ向かって走る。
 貞豊県方面に行くには現在では高速道路がある。
でも私は凄く時間のかかる旧道を走るのが好きだ。
この遠回りコースの途中には「花江鎮」(かこうちん)
の自由市場がある。(ここは見応えがある)

 花江鎮の先には「花江大峡谷」があって、ここの景色は
「絶景かな〜」である。それも延々と続くのだ。

 貞豊県の入り口の小さな街で昼食をする。

 PM1:00 貞豊県役所に向けて出発。
 PM1:15(日本時間2:15) バスの中から、
ウーチャンの携帯を借り、
東北放送ラジオ「サンデーAMO」、生本番中の葵ちゃんに
電話を入れる。(約6分間、現地報告をする)

 PM2:40 貞豊県 県長さんと合流。
 PM3:00 納蝉村へ向かう。
 納蝉村までは30分で行けるが、私はこのコースだけは
たっぷりと時間をかけて歩くのが大好きだ。
それほど私のお気に入りコースなのである。
 丁度、麦の穂が黄色く色づいていて、
これまた菜の花とは違った感動を味わうことができた。
 
 PM4:10 納蝉村に到着。
 村の住民全員が出迎えてくれた。(かなり大げさ・・・)
 初めて貴州旅行に参加した人をこの村に連れて来ると
全員が必ず感動してくれる。

 龍踊りや女性の踊りでの歓迎式。

 来る度に少しずつ生活が進化(発展)してきている。
今回は音響設備が集会所に設置されていた。そして
その曲に会わせて女性が踊りを披露してくれた。
ところがスピーカーから流れ出るボリュームが
割れんばかりの大音量。
そこで私はミキサーの所に行って「もう少しボリューム
下げた方がいいんじゃない?」と言ったら、
「ボリューム調整が壊れていて下げられない」と言われた。



 「納蝉村の歓迎式・龍踊り」



 「歓迎式・合奏団」


 PM6:00 後ろ髪を引かれながら
我が愛する納蝉村をあとにする。

 PM6:40 双乳峰を観る。



 PM7:00 貞豊県 三岔河(さんぶんがわ)賓館に泊る。


〔6日目〕4月17日(月) 晴れ
 AM8:00  三岔河賓館を出発。安順に向かう。
 貞豊に来るときは旧道を来たが、帰りは高速道路を帰る。
この高速道から見る景色もなかなかなもの。
 高さ300数十メートルと言う「大橋」もある。
(絶対に足がスクんじゃうよ〜)

 AM11:30 安順市内にある「ロウケツ染め工場」
に行ってロウケツ染めを買う。
 1枚750円もするロウケツ染めを35枚も買った。

 PM1:00〜2:00 昼食。

 2:30 「老漢族」(ラオハンズー)の村を訪問。
 昨年も来ているのだが、昨年は5時過ぎてから来たので
出店などは閉まっていた。しかし今回は時間的に丁度良くて、
活気がみられ、全員感激することしきり・・・。

 私と氏家君はここでも夢中になって撮影しまくり・・・。
んだって、
「石積みの家並」や「自然石を使用したスレート瓦」の美しいこと。
それと、陽だまりの中で日向ぼっこしている年寄り達。
柳と共に揺れる赤いランタン。
私は、もう興奮状態。



 「よもやま話 してっとこだよ」



 「単騎千里を走る だべっちゃ」



 「とうもろこしがダイナミック!。それと、
  石積みのレンガ・スレート瓦が美しいですねぇ。
  おっ〜と、お嬢さんも美しいですよ!」


 PM4:30、後ろ髪を引かれながら老漢族をあとにする。
        (んだって、前髪がないんだもん)

 PM6:00 貴陽着。「栢頓酒店」(バイトンホテル)にチェックイン。
   7:00 市内の別のホテルで貴州の友人達と晩餐会。

 PM9:00 合群路(フチュインルー)の夜の屋台を撮影に行く。
 私と氏家君で撮影しているとどうしても人だかりだできてしまう。
それも通行人が通れないほど。
 20分くらい1ヶ所に集中して撮影していた。
そこの撮影が終わって別の所へ移動しようとしたら、
この露店のリーダーらしき人から、クレームが入った。
(これはマズイことになったぞ)
 
 確かに我々のやっている事は迷惑行為である。野次馬が
集まって来て、道をふさいでしまっている。
「営業妨害」と言われても返す言葉が無い。
 私はひたすら謝った。
 通訳のウーチャンが事情を説明する。
「団十郎先生は『貴州省旅游親善大使。そして日本の作曲家』です。
そこで今回はここフチュインルーの歌を作りDVD制作のための撮影を
していますので御理解下さい」。

 すると大将もすべてを理解してくれ、
「そうか、大いに宣伝してくれよ! どうだ、ついでに1杯飲んで行け!」
なんて言ってもらい、我々は撮影を続行・・・。

 そこへ今度は、ギター流しの少女達がやって来て、
「おじちゃん、覚えてるよ。一昨年、私の歌聴いてくれたよね」と言う。

 「お〜、覚えてるぞ。よし、今夜も聴かせてくれ。曲は何でもいいよ」。
 3人の少女達は得意顔で歌う・・・。

 「お〜、この前より、ず〜っと、ず〜っと上手くなったぞ。今度又会おう。
それまで元気でな!」

 撮影を続行する。
 深夜12:00、撮影の帰りあし。
屋台の中で飲んでいるあの大将と顔が会った。
「お〜い、1杯飲んで行けや!」。そこで私は
「私は下戸なので、私の代わりにこの同伴の女性に飲んでもらいます」
と言って、由美ちゃんに飲んでもらった。(氏家君も下戸)

 深夜12:30 バイトンホテル到着。


〔7日目〕4月18日(火) 晴れ
 AM8:50 バイトンホテル出発。
   10:00 貴州大学日本学部の学生さんと交流会をする。

 
 「大学の門をクグッタところに、横断幕が・・・」(謝々!)


 貴州大学日本学部には4年前にも訪問している。
 学生さん120人くらいが私達のために講堂に集まってくれていた。
「ありがたいことだ」

 そして、私の歌を学生たちが、
この私に向かって歌って聴かせてくれた。
私は涙を堪えるのに必死だった。
(いつも貴州に来るたんび、こういう感激のシーンがあるんだずば!)

 でも一つだけ、物足りないものがあった。
カラオケのボリュームがとても低い。かすかに聴こえる程度。
そこで私は「ボリュームを上げて下さい」とお願いをした。
すると「これ以上、ボリュームは上がりません」と言われた。

 でもいいや、ボリュームが低くても私の心のボルテージは
目いっぱい上がっているんだから・・・。

 それにしても学生が歌ってくれた私の「猫猫河愛心小学生」の
歌には全員感動していた。
 氏家君は「この曲は名曲だったんだっちゃねぇ」と誉めてくれた。
私は子供の歌として作ったんだけどねぇ・・・。
(ちょっぴり 幸せ者の団十郎なの)

 11:50 大学を後にする。

 貴陽市内にて昼食。

 PM1:30 貴陽空港へ向かう。

 貴陽空港発15:20 → 上海浦東空港着17:35

 上海市内にて夕食。
 上海の夜景を観ながらホテルへ・・・。
来るたびごとに上海の夜景が凄くなっている。
もうアジア最大の夜景になっているのかも!?


〔8日目〕4月19日(水) 晴れ
 上海空港発10:35 → 仙台空港着14:25

 「皆さん、お疲れさんでした」
 皆さんのお蔭で最高の映像がバッチリ・イッパイ撮れました。
この御礼は、のちに完成するDVDにて・・・。

 「縁があったら、また貴州に行きましょう。再見!」

 我が家に帰る途中、車窓からは満開の桜が
目イッパイに飛び込んで来て、宮城県は「まさに百花繚乱」であった。

 〔完〕




★「貞豊旅情」のビデオを観る

★「夜のフチュインルー」のビデオを観る

★「恋の姉妹飯節」のビデオを観る

「踊る南花村」のビデオを観る

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